抗生物質と細菌の仁義なき戦い
2015.03.12 Thursday 14:23
人類の歴史は病気との戦いの歴史ですが、その病気の原因は細菌によるとことがとても大きいのです。
特に、20世紀に入って人間が抗生物質を作り出してからは、現代医学が想像すらできかった、細菌と抗生剤の攻防が繰り広げられています。
現在の抗生剤は、ペニシリン系からセフェム系ほか、73種の製品が出回っています。
そして、ついに耐性細菌MRSA菌(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)が出現しました。
たまにテレビのニュースなどで、病院内での集団感染が報じられているので、ご存知の方も多いかもしれません。
この細菌の怖ろしいところは、どんな抗生剤も全く効かないところです。
この菌はいったん病院内にあらわれると、たちまち広がって、特に重病人や老齢者、子どもなど、抵抗力の弱い人の命を奪うという、恐ろしい細菌です。
それでも、この細菌をやっつける、“バンコマイシン”という薬がやっと作り出されたのですが、今では、その薬にも耐性をもつMRSA菌が出てきて、とても困っているのです。
このようにして、細菌と抗生物質との追いかけっこは、終わりが全く見えない“仁義なき戦い”に突入しているのです。
まさに化学合成品と生物の戦いですが、これが現代医学の弱点でもあります。
生物に対して薬で対応できる部分は対応し、薬で対応できない部分は、自らの体の免疫力などを向上させて、細菌に立ち向かうほうが、賢い選択だといえるでしょう。